月下独酌Ⅴ

前勝山市議会議員 松村治門のブログです。 ご意見は、harukado.0501@gmail.com まで。お待ちしております。

コロナ対策政策の素案  -勝山市内飲食店の売り上げを確保するー

 

概 要

新型コロナウィルスの流行に伴い、人々は不要不急の外出を控え、三密(密閉・密集・密接)を避ける等の行動をとるようになった。結果として、市内飲食店は極端な売上減に見舞われている。

個人の安全を確保し、一刻も早いコロナ禍を収束するためにも、外出を控えるべきである。同時に、経済的安定性を維持するためにも、市内飲食店の売り上げを確保することも急務である。

よって、政策として、テイクアウトメニューの宅配事業を行う。

市内飲食店が最低限の売り上げを確保するためには、おおよそ1世帯が週に3300円のテイクアウトを行えば良い。したがって、この数値を目標とする。

事業内容は3つに別れる。

ひとつは、メニューの作成である。
本事業に参加する意思のある飲食店経営者に声がけをする。各店1つの主たる商品を提示してもらい、勝山市が取りまとめる。その結果は「勝山市内飲食店メニュー一覧」として公開される。
このメニューは週1回更新される程度に変更していくのが望ましい


二つ目は、メニューの発信である。
発信は3つの方法により行われる。
 ①市広報
 ②SNS
 ③新聞折込チラシ
①の市広報は月1回発行の媒体であるため、キャンペーンそのものの告知に用いる。②のSNSと③の新聞折込チラシでメニュー表を周知する


三つ目は、宅配の流通経路確保である。
20人を臨時雇用し、宅配業務に当たらせる。20台の車が宅配で市内を同時に動き回るイメージである。この20台の車の効率的な運用のために、オンデマンド交通システムであるコンビニクルを活用する。これは元々、公共交通のために作成されたソフトで、各家庭と目的地を結びながら複数の車両を同時に効率的運用することを目的としている。


本事業の効果は、次の3点である。

ひとつは、市内飲食業の営業維持。

二つ目は、新型コロナの流行が沈静化した後の公共交通に与える影響である。この事業は荷物の宅配を主としているが、あくまでもコンビニクルシステムは公共交通を主たる目的としている。本事業で得られた知見が、コロナ沈静化の後に公共交通に与える影響は大きい。

三つ目は、新型コロナの流行が沈静化した後の消費行動に与える影響である。本事業で得られた知見やデータは、買い物難民問題を解消など社会の様々な問題に役立つことが予想される。

そして、何よりも勝山市が迅速な対応をすることで市民感情を鎮静化する効果がある。危機的状況に陥る中で、行政が手をこまねいていてはいたずらに市民感情を不安に陥れるだけだ。



本事業の課題は、次のとおり

ひとつは、インセンティブ(動機づけ)の問題である。
メニューを作り情報発信してだけでは売り上げにつながらない。なんらかのインセンティブが必要になる。このインセンティブは、行政と店側から出されるのが望ましい。
 行政が出すインセンティブの例としては、店舗スタンプラリーなどの分かりやすいものを作成して、スタンプラリーを完成させた人には景品(市内商品券)を出すなどが考えられる。
 店舗が出すインセンティブとしては、コロナ終息後の来店確保のためにも、店独自のクーポン券などが考えられる。


二つ目の課題は、予算の問題である。
コロナ流行に伴う社会不安がどこまで続くのか。これが見通せないうちは、予算額がどの程度のものになるのか見当もつかない。
しかし、「市の税金は市民のために用いる」のであれば、上限を1億円に切ってでも予算投入すべきと考える。





 

 

基本設定


〔モデル設定のための数値〕
 勝山市の人口:2万4000人
 世帯数 7600世帯(内、高齢者単身世帯880世帯)
 飲食店舗数:112店舗(⇒モデル設定のため、100店舗とする)

〔基本設定〕
勝山市内の飲食店の大多数が親族経営・小規模経営であることを鑑みて、1店舗が必要な粗利を1週間当たり15万円と設定する。

②売り上げにおける粗利率を、外食産業の平均的粗利率と同程度と考えて、65%とする。


基本設定から導き出される結論

1世帯あたり1週間に3300円程度の外食をすれば1店あたり粗利15万円/週を達成できる。

(理由)
1店当たりの粗利15万円×100(店)=1500万円
100店の必要売上額=1500(万円)×100/65=2308万円
2308(万円)÷7000(世帯)=3296(円)
 ※総世帯数から高齢者単身世帯を除外して、7000世帯で計算した



政策の背景

①新型コロナウィルス対策のため、不要不急の外出や店舗内での飲食を控える必要がある。このためテイクアウト(持ち帰り)が主となる。

②現在、市内飲食店はテイクアウト用のメニューを揃えつつある。

③また、テイクアウト用メニューはSNS等で公開されている。

❹しかし、そのメニューが周知されているとは言えない。

❺加えて、店舗から各家庭までの流通経路が確保されていない。





政策内容の骨子

1.市内飲食店を利用するキャンペーンの実施
 (1)目標設定 ⇒(例)「1週間に3300円を外食しよう」

 (2)各店のテイクアウトメニュー情報の発信
       ⇒①SNSでの発信
        ②新聞折込でメニュー一覧を全戸配布
         (週1回:必要予算額 30万円/週)

 

2.テイクアウト料理の流通を確保する
 (1)20人の臨時雇用し宅配業務を行う
   ⇒①宅配を夕方のみに限定した場合
      (1日3時間労働 必要予算額 80万円/週)
    ②宅配を昼食と夕食の2回行う場合
       (1日5時間労働 必要予算額 120万円/週)

 (2)オンデマンド交通システム「コンビニクル」の利用
   ⇒①コンビニクルのレンタル
       (必要予算額 月200万円(要相談))
    ②コンビニクルの設定および運用
       (必要予算 週30万円)

3.インセンティブを付与する