月下独酌Ⅴ

前勝山市議会議員 松村治門のブログです。 ご意見は、harukado.0501@gmail.com まで。お待ちしております。

恐竜博物館のある長尾山総合公園をプロデュースしよう  《いきなり大勝負をしかけるな!》

■忙しい方のために、1分でわかる「今回のまとめ」 ①「何をするか」も重要ですが、「どのように進めるのか」も重要です。②行政は、いきなり結論を決めて大勝負をしかけます。これを箱モノ行政と呼びます。「これはダメだ」と失敗に気づいた時には修正も後戻り…

恐竜博物館がある長尾山総合公園をプロデュースしよう 《中編》

■前回のおさらい まずは、《前編》の内容をおさらいしておきましょう。①県立恐竜博物館と連携しながらも、県立恐竜博物館に依存しない形で、長尾山総合公園をプロデュースする。②県立恐竜博物館に訪れる来客数の73%は、ファミリー層である。したがって、長尾…

恐竜博物館がある長尾山総合公園をプロデュースしよう 《前編》

今回から、《前編》《中編》《後編》の3回に分けて、恐竜博物館がある長尾山総合公園のお話します。具体的には、長尾山総合公園を、どのようにプロデュースしようか!という内容です。「プロデュース」とは、「テーマを決めて価値を創造し、発信する」とい…

「神話」としての自治体 ー補遺ー

■制度設計のあり方 ーこの前の《後編》は、わかりにくかったように感じましたーうーん。そうみたいですね(苦笑)。申し訳ない。私の抱えてる不満をもっと前面に出せば良かったかな……と反省してます。ー不満というのは?- われわれは、なぜゆえに「こうなっ…

《後編》「神話」としての自治体  -そもそも自治体とはなにかー

■素朴な疑問 13年の間、市議会議員として自治体を眺め、行政を見続けながら、いくつかの素朴な疑問にぶち当たることがありました。「なぜ行政のやることは、うまくいかないのだろう」「なぜ行政と市民との協働はうまくいかないのだろう」あるとき、ふと思い…

《中編》「神話」としての「勝山は魅力にあふれている」との定説 -われわれは誰に向かって発しているのかー

■前回の内容 前回の内容を振りかえってみましょう。①人間の心理は複雑である。②ゆえに、消費者は消費行動を起こす際に、自分の選択を明確に説明できない。③地元に戻るか否かを選択する若者にも同様の心理が働いている。勝山を離れる若者は、自分の選択を明確…

《前編》神話としての「雇用創出が若者の定住を産む」という定説

■プロローグ 政策を考えるとき、私が気をつけることが二つあります。「違和感を大切にすること」「ゼロベースから組み上げること」「違和感を大切にすること」とは、常識に従うことです。何やら目の前にうまそうな儲け話がある。しかし、私の中での常識に従…

新たな一歩

今回の勝山市長選挙は、皆さまご存知のとおり211票差で敗れるという結果に終わりました。まずは、皆様に御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。政党の支持もなく、特定政党、区長会、業界団体の組織票もなく、それでもここまでの票をいただけた…

なぜ、行政主導のまちづくり、行政主導の観光は上手くいかないのか      【花月楼に関する疑問 ―組織論― 】

行政主導のまちづくりは、全国的に見ても成果を挙げているとは言えません。行政主導の観光も同様でしょう。「行政主導はダメだよ」と我々は言います。もっとも、文句だけなら誰でも言えます。そこから一歩抜け出して「ならば、どのような方法ならば良いのだ…

子供たちに「考える武器」を与えよう

■いじめ、不登校…… 先だってのこと。妻と次のような会話をした。 「○○さんところの娘さん、かわいそうに不登校になったみたい」「なぜ?」「う~ん……いじめられたみたいよ」こういう話を耳にすると、暗澹な気分におちいる。子供の社会は、我々の社会よりもよ…

花月楼に関する3つの疑問 ―インターミッション―

■インターミッション なぜかブログに花月楼のことを書き始めたら、色々な人から色々なことを言われるようになりました。ちょっと不思議な想いがします(苦笑)。「花月楼を再生するな!」「手を加えるな!」という趣旨ではありません。要は「時期が早すぎる」…

花月楼再生に関する3つの疑問  その2.花月楼再生プランは組織に欠ける

■本町商店街は「成功したまちづくり」事例だった?! このブログを書いている最中に、衝撃的なニュースが飛び込んできました。産経新聞10月22日全国版に、勝山市本町商店街が「にぎわいを取り戻した」成功事例として紹介されていたのです。商店街低迷どう脱出…

花月楼にまつわる3つの疑問  その1.花月楼再生プランは戦略に欠ける

■はじめに 9月定例会において、中心市街地の活性化策として旧料亭花月楼の再生案が示されました。 確かに、恐竜博物館を訪れる観光客をベースとして観光に携わる雇用を確保していくこと、そして中心市街地の活性化は、極めて重要な課題です。市長が進める方…

「勝山市は、その小ささを武器にして発展する」ことの、経済思想的意味 vol.2

■不安定化する「豊かな社会」 ー不安定化する「豊かな社会」とはどういうこと?まず、「豊かな社会」と「発展する社会」とは違うということを理解してもらうことが重要になります。「発展する社会」は高度経済成長期の我が国をイメージしてもらえればいいで…

「勝山市は、その小ささを武器にして発展する」ことの、経済思想的意味 vol.1

■「勝山市は、その小ささを武器にして発展する」 まずもって、この度の勝山市議会議員選挙におきましては、2位当選という過分の得票をいただいたことに御礼申し上げます。皆様のご期待にそぐわぬよう、邁進する所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げ…

調査委員会の杜撰な調査について

■議長公用車の不正使用疑惑 勝山市議会内に設置された政治倫理調査特別委員会は、私に関する調査を実施していますが、本日付の新聞報道でも明らかなように、昨日の勝山市議会本会議において「議長公用車の不適切な使用があった」との報告がされました。 ■は…

私にかけられた不当な嫌疑と、勝山市議会における異常事態について -その5-

さて、最後に今回の騒動で勝山市が受けるであろう実損についてまとめてみましょう。 ■この事業で作り上げた金沢とのパイプが切られてしまった 国の委託事業をする際の目的のひとつは、「金沢新幹線開業を控えて、民間レベルでのパイプを作りあげること」でし…

私にかけられた不当な嫌疑と、勝山市議会における異常事態について -その4-

前回に引き続き、問題視されている事柄を説明いたします。 ■(疑惑2)嶺北ふるさと創造観光協議会は架空の幽霊団体ではないのか? 結論から申し上げるならば、 ①嶺北ふるさと創造観光協議会は、架空の団体ではありません。 ②ただし、現在は事務局長しかいな…

私にかけられた不当な嫌疑と、勝山市議会における異常事態について -その3-

■私の関わった事業のどこが問題視されているのか 前回は、勝山市議会の議論とも呼べない議論の流れを見ていただきました。今回は、われわれが行った事業のどこが問題視されているのか。その点を具体的に見ていきましょう。4月19日以降に開いている私の市政報…

私にかけられた不当な嫌疑と、勝山市議会における異常事態について -その2-

私が関わった事業の概略は、前回説明したとおりです。「事業の何が問題視されているのか」について説明する前に、勝山市議会において行われた議論(とも呼べない代物ですが)の異常さについて説明いたしましょう。ここを理解していただかないと、「事業の何…

私にかけられた不当な嫌疑と、勝山市議会における異常事態について -その1-

■ はじめに 新聞報道でもご存じのとおり、私は不当な嫌疑をかけられ、現在、市議会調査特別委員会に置いて倫理条例違反の存否の調査対象となっております。おそらく、ほとんど全てといってよい勝山市民の皆さんは何が起きているのか、全く分からないという現…

高校再編問題をバネにして勝山の教育を考える

■現状 昨日、本年の県立高校の入学試験に関する志願状況が発表された。これによると、勝山高校の倍率は0.94倍(定員129人、出願121人)。大野高校の倍率は0.99倍(定員151人、出願149人)。共に定員割れであり、この現状は数年続いている。福井県が策定した…

フランス諷刺週刊誌に、彼らの傲慢さを見る

■神がそれを望んでおられる 1095年11月。フランスでクレルモン公会議が開かれた。法王ウルバヌス2世は、聴衆に向かって聖地奪回を力強く訴えかけ、その熱弁の最後は次の言葉で閉められる。「神がそれを望んでおられる」 聴衆は一人残らず感動に包まれ、群衆…

3つの課題をクリアできるか?そこに「地方創生」の未来がある

■地方創生はありがたいのだけれど… 安倍内閣が目玉政策のひとつとして挙げている「地方創生」。その具体的な方針については、首相官邸HPに詳細が掲示されている。地方に住む我々としては、これはこれでありがたい。だが、本当に「地方創生」メニューは地方を…

朝日新聞の元旦社説を読んで、平泉澄博士のことを想う

■年頭の社説 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、新聞にとって1月1日の社説は重要なものです。その年をどうとらえるのか。その年をどのように行動すべきか。各紙はそれぞれに工夫を凝らしながら社説を編みます。という…

【備忘録】 戦略ストーリー作成の10ヶ条

新しい事業を組み立てていく中で、その事業戦略をストーリーに落とし込む段階まで辿り着いた。そこで、自作のストーリーに漏れやダブリがないか(MECE)、論理的な破たんはないかとの自戒の意味を込めて、戦略ストーリー作成のための10ヶ条を記しておく。使用…

勝山市の成長戦略 その2 -最高のまちはどこにもない-

■前回のおさらい 何度も繰り返すのですが、「このまちは最高です」と自治体・住民が思うことは大切なことです。その想いがなければ、そもそも自治体の絆が成り立ちません。しかしながら、その想いを前面に出すと思わぬ陥穽に墜ちることがあります。今回はそ…

勝山市の成長戦略 その1  -思い込みを取り除こう-

■冒頭にあたり 勝山市は人口2万5千人の小さな自治体です。この小さな自治体がこれからの自治体間競争を勝ち抜くためには、どのような戦略が必要なのか。私はこの点を数年間にわたって考え続けてきました。ようやくその答えが垣間見えてきたので、その結果を…

選挙にまつわるエトセトラ

■投票場へ一番乗りすると、とある特典が。 あなたが、投票場へ一番乗りしたとします。すると、あなたは選挙管理委員会から次のようなお願いをされることでしょう。 「投票箱の中を確認してください」 誰かがこっそりと投票箱に不正をしかけないように、1番最…

地方に国会議員はいりません・・・と主張する最高裁

■最高裁の「1票の格差判決」について思うこと 先だって出された最高裁の「1票の格差判決」は、2つの点で納得がいかないものでした。 ひとつは、裁判官の付則意見の中に「人口が少ない地域には、もはや国会議員はいらない」としか理解できない意見が多数見ら…